山曜日は山へ行こう


多良岳
      

山曜日は山へ行こう!

                        

  


          愛されて  たおやかに名峰  福智山  八丁辻急ぐ  山人を呼ぶ

  

   期 日     平成16年11月11日 うすぐもり
登山口  上野峡・ラドン水汲み場
  時 間    登山 登山口−5分−白糸の滝−45分−虎尾桜分峠−10分−
 林道出合−65分−八丁−15分−山頂
 下山  山頂−40分−上野越−20分−鷹取山−10分−
 上野越−60分−上野登山口−10分−駐車場
温 泉  上野温泉

 しゃくなげ温泉泊の夜の間に,大きな雨雲が過ぎ去った天気図であるが,まだ雲は残る。
 「油断できないぞ」
 <上野焼き陶器祭り>の旗がひらめく道を登り切ったところに,ちょっとした広場があり,そこから更に小道を登っていくところに白糸の滝への案内板があった。その小道を突き当たりまで走ると,温泉水(ラドン)販売機があり,容器を手にした人々が集まっていた。
 
 右手に白糸の滝標示がある駐車場があり,そこに車を止め,雨具をつけて,登山開始。
 少し登るとすぐ白糸の滝に出て,清々しい水の音に元気をもらって,登山口にはいるが,すぐに巨大岩の登りである。そこからは,急な登りが続き,雨具のため体中がほてってきた。
 雨の気配がないので,視界の開けた小広場で雨具を脱ぎ小休止。息を整え振り返ると,晴れた街並みが遠望できた。
 先を見ると,しばらくは,平坦な登山道のようである。
 横歩き(平坦地)は,紅葉自然林の中,沢を流れる音がどこからか聞こえ快適である。
 やがて,虎尾桜分峠の標示が出てきて,林道と出合う。
 
 それから急な直登である。ロープがずっと上の方まで見えている。急傾斜がまっすぐ続いているのだ。
 ロープは右になったり,左になったり,1時間余りも続き,急傾斜の途中ではゆっくり身体を預けて休憩もできず,ひたすら我慢して1歩1歩進む。
 「まだねー」
 「まだだよ」
 後になり,先になり声をかけ合うが,徐々に声も細くなっていく。
 杉林から,紅葉の落ちた自然林となり,ロープが終わり,低木,クマザサになりやっと平坦地となった。
 
 ここが八丁! うすい霧の中,向こうにふっくらと福知山山頂が浮かんだり消えたりする。八丁を下ったり,上がったりするうち,山頂がぐんぐん近づいて来て山頂付近の岩もはっきり見えてきた。
 山頂を両手に抱えこみたいと,どんどん進むうちに自分が山頂に抱かれていく気分である。
 
 「着いた!」
 広い,草地の中に大きな山頂表示板があり,祠があり,岩あり,変化のある山頂で,今回は2名の登山者と出会ったが,沢山の登山者を受け入れて,尚,余りある楽しい山頂の様子が浮かんでくる。
 青空が欲しいところだが,残念!
 
 山頂を歩き回ってランチタイム,コーヒータイムを済ませ下山とする。
 下山途中出逢った男性に,
 「上野越はこっちですね」
と聞き,八丁辻を右に折れ,やや急な滑りやすい道を慎重に進んでいくと,
 「どちらからですか?」
と,先の男性が福知山山頂まで行って急いで降りてきたらしい。
 「鹿児島からです」
というと
 「遠くからですねー。せっかくいらしたのだから少し,私が案内しましょう」
と,いうことである。スマートで,きりっとした出で立ちは,上級者のようで,
「私たちは,初心者で,着いていけませんから」
と,遠慮したが,さっさと決めて,
 「鷹取山に行きましょう」
と,先に歩いて行かれた。
 私共は,有り難く好意を受けようと一生懸命着いていった。
 登山コースを聞かれ答えると
 「あのコースは健脚者コースですよ。きつかったでしょう。」
とのことだった。
 なるほど!厳しかったが,危険な地点はなかった。だが,少々自信をつけた気分になった。

 城の跡が山頂になっている鷹取山からは,街並みが広がり,すばらしかった。
 下山途中でいくつかの展望スポットに案内してもらい,充実感一杯の登山となった。
 自分たちだけの登山では決して歩けない展望を楽しみ,初めて出逢った見ず知らずの方のご厚意に感謝の念で一杯である。
 誠にありがとうございました。
 今度又,青空の福知山山頂に行ってみたい!!