山曜日は山へ行こう


白鳥山
      

山曜日は山へ行こう!

                        

                 雨も良し金時山なり富士覆う西方紫雲に諸手を上ぐる

期 日 平成18年9月1日  雨
標 高 1,213m
めあて 人気の箱根外輪山の最高峰をめざす。
登山口 仙石−金時山登山口
  時 間   登山口〜25分〜うぐいす茶屋〜40分〜公時神社分岐〜35分〜山頂
下山 山頂〜20分〜分岐〜50分〜公時神社〜15分〜登山口
アクセス 東京方面から電車−小田原駅−電車−箱根湯の本−バス−仙石
温 泉

 今回の旅行中の登山で一番の目標は金時山である。
 <足柄山の金太郎,・・・・金太郎・・・・>
 その歌とパノラマの素晴らしさという情報からである。 調べてみると,金時山は,箱根山の外輪山で一番高いという事や,ここからの富士山の眺めが一番素晴らしいということで一層登ってみたくなった。
 しかし,雨!
 雨も自然の営みである。 決行しよう!
 箱根登山鉄道バスの仙石バス停で降りる。 急遽,箱根湯の本で買い求めた雨具を装備し,小雨降る中,バス通りを登山口の道標まで歩き,右へ入り,舗装道をしばらく歩く。 右に登山道入り口の案内板がある。 いよいよ山道である。
 ハイキングコースとして案内されている。
 丸太の階段もあるが,今日は(強くはないが)雨である。
 溜り水もあり,歩きにくい。 ごろごろ岩が転がり,急坂が多く,粘土のようなすべりやすい土で少しも気が抜けない。
 葉の細い笹(ハコネザサ)が密生している。
 やがて明るく開けると<うぐいす茶屋>の建つ小広場に出る。
 道標の通り,左に進む。
 相変わらず,急坂が多いが,歩きやすいのは周りが開けているからである。 といっても登りが続き,ぬかるみで周りの展望はない。 我慢して注意しあって登る。
 平たい大岩があり,小休止する。
 上に立ち見渡したいが,なにも見えそうにない。
 やがて,(金時)公時寺との分岐点。
 相変わらず弱い雨はやまず,足場の悪い滑りやすいぬかるみとゴロゴロ石の急坂が続く。
 我慢して注意深く登る。
 軽装の男性が,傘をさして下山している。
 「まだ,すべりやすい所が続きますよ!」
 と,いう。
 「まだ続くのか〜」
 覚悟して,ゆっくり端っこの踏み跡のないところを選んで足を置く。
 「疲れも限界だー」
 と,気が弱くなった時,ジャンバー姿の女性が下山して来た。
 「すぐですよ!」
 その方は,ピョンピョン!という感じで下山していった。
 後で,茶店で聞いたところによると,この方が,TVで報道された毎日のように登っておられる方だったとの事である。
 TVとの感じと少し違ったので,話すのを逃してしまった。
 二件の茶店,テーブル,露岩,方位盤,多くの登山者が楽しむに充分な山頂。
 ちょうどいいぐあいに小雨もやんだ!!
 遠望視界は全然きかない中,露岩に席を取りランチタイムとする。
 「良かったね」
 でも,富士山全景が金時山標識の左側に見えるということであるが,霧で真っ白である。
 きっと,雲の流れは富士山もこの金時山も我々も丸ごと包み込んでいる。
 「自然は大きいね。」
 これで充分である。   
 「ばんざーい!!  ばんざーい!!」
 山頂で,1時間を過ごしていたら,雨がまた,降り出した。
 下山を始めて,トントンと岩場を下っていたら(油断したかな?),靴が(足が)つまずき,1段飛び,また飛び(飛んだつもりが転んで),また飛んだ!(飛ばされた?)
 下の広い岩場に立った!と,思ったら,意に反して右斜面にズルズルと,滑り落ちた!!
 その間,家人は真っ白。 声も出ない。
 恐怖の後,斜面の笹の茎が握れたので,しっかり握った。 そしてその上の木をつかんで這い上がったのである。
 木の幹で頭を打ち,手の甲3箇所に切り傷。
 急いで,血をふきカットバンをペタペタ貼り
 「これで済んでよかったね」
 油断は禁物(原因は足元に集中しないで,山頂の茶店の事を話していた)。 足元注意,3点支持の重要性を再認識する事だった。
 分岐から,登りコースとは別の,公時(きんとき)神社コースへ進む。
 急坂の滑りやすい地点はあるが,この下山道は登りのコースより,はるかに歩きやすい。
 植林あり,自然樹林あり,そして夕暮れ森の中とはいえ,心を明るくさせたのは一帯に続く山アジサイの群生である。
 小雨の山の夕方は早く暗くなる。
 途中,<公時神社奥の院>に立ち寄りやがて<公時神社>で,きれいな社殿が建っている。
 
神社にお礼参拝したあと,参道を進み駐車場を過ぎ,このコースの登山口に出て下山着となる。
 山頂付近で出逢った下山中の女性は,二千回以上も登り三千回登山を目指している名物女性だった。
 茶店の女性は,金時娘と呼ばれている70歳代と,80歳代の方で,ほとんど毎日というほど登って営業されている。
 以上の話を聞き,パワーをもらったようである。 また,雨の中,試練を受けつつも無事,下山できた事に満足し,なんだか今回は,登山力増進の一日になったように思う。
 茶店で購入した<金太郎の腹掛け>をお守りに加えよう。
 <金時飴>を更なるパワーとしよう。