山曜日は山へ行こう


白鳥山


      

山曜日は山へ行こう!

                        

 
        森の奥宮之浦岳胸沸くは奇岩シャクナゲ清水それから・・・

       洋上のアルプスという宮之浦山頂岩峰で今確かむる

期 日 成19年5月26日(土)  晴れ
標 高 1,935.3m
登山口 淀川登山口
  時 間   淀川登山口−45分−淀川小屋−1時間50分−花之江河−30分−黒味岳分岐−30分−投石(なげし)平−60分−直下広場−30分−山頂
下山 山頂−4時間30分−登山口
鹿児島からのアクセス 鹿児島港〜屋久島宮之浦港 (高速船 ロケット) 〜安房 (バス)
宿 宿 民宿 紫水館
 九州最高峰屋久島の宮之浦岳登山である。 幸い天候も上々,体調もまあまあ。準備はできた。
 早朝の<屋久町体育館>で 屋久島観光協会の<しゃくなげ登山>参加のバッジをもらい,ガイド(グループリーダー)の河野さん関口さんの紹介があって,いよいよバスに乗り込む。
 160名ほど(島外者が150名ほど)の参加という。
 そのうち98名ほどが上級コース宮之浦岳コースという。
 我々も宮之浦岳を目指す。 皆さんにきちんと着いていく事を決意する。


 バスで1時間ほどで<淀川登山口>に到着。 それぞれ10人余のグループ別に,ガイドの指示により準備運動,説明,注意があり木階段の登山道にはいる。 徐々に自然樹林の中に入るが,ゆるやかなアップダウンを快適に進む。
 この辺りでは樹齢千年以上の杉−<屋久杉>ーは少ないという。
 すぐからシャクナゲの株(固い蕾)もあり,ツガの古木,白い花のハイノキ,薄いピンクの花を付けたサクラツツジ,他の木を着生させた大木・古木・・・・・・。
 40分余りで<世界自然遺産区域>の表示板を過ぎると,すぐ<淀川小屋>に着く。
 宿泊用の小屋,広場,お手洗い,水場(きれいな流れで水量も多い)があり,名だたる屋久島名峰の縦走宿泊地点となっている。 
 すぐ河を渡るが,澄み切った流れに両側の樹林がそのまま姿を落として美しい。
 世界自然遺産登録区域内だ。 心して歩こう!
 登りは急になるが,登山道は,樹木の太い根が張りめぐされ,しっかり踏み固められ足場は良い。
 大きなこぶのついた杉だ。
 「コブのある杉は細工用になる」
という。 屋久杉の工芸品になるのだろうか。
 アップダウンを繰り返すうち徐々に樹林を抜け,展望が開けてくる。
 「あれがトーフ岩です。(高盤岳山頂)」
今,食べようとするように切れ目の入った白いトーフ??      ほどなく湿地帯の<小花之江河>となる。
 湿原に渡された板道を進み,小さな尾根を越えると10分ほどで
,規模の大きな湿原<花之江河>となる。
 いろいろな大きさ,色,形状のコケ類に覆われた湿原,庭園に創った池のような形の水溜りもあり,登山用の板道は,庭園散策用の板道の風情もある。
 小休止,チエック用名札提出等して,再び樹林登山道を進む。
 樹林の中の黒味岳分岐を過ぎると,いよいよ宮之浦岳に向かって,急登あり,岩場あり,ロープありの本格的な登りコースとなる。 しかし,高度が上がり,展望はよくなり
 「黒味岳の山肌のむらさき色は,屋久島ミツバツツジです。」
という説明や,奥の方とか周りに現れる峰の大きさに感動しながら登っていく。
 下りコースの奥に,時々きれいな水を汲める事も感動的だ 
 やがて,ヤクザサ(霧島のスズタケより葉は細く丈は高いのはない)が多くなり,シャクナゲの株も多くなる。 そして高度が上がるにつれ徐々に蕾は膨らみ美しい。
 いよよ展望が開け,多数の露岩のある広場〜<投石(なげし)平>に着く。 四方に奇石,巨岩を投げた??  周りの山々を見ると,白い花こう岩が新緑の山肌を飾り,青空に美しい。
 ヤクザサとシャクナゲに覆われた山肌のあちこちに,白い岩がおもしろい形で置かれているのに感動しながら,細い登山道を進む。
 「最後の登りですか?」
 「まだまだです。」
 しかし,山頂は近いはず・・・・,がまんしながらもくもく進む。
 あの奇石,巨岩はどのようにしてあんな風になったのか?
 「ヘリコプターで運んだんですか?」
 「台風であの石が動いた事はないのですか?」
等と,にぎやかに元気を出して,最後の登りである。

 「やっぱり5時間かかったー!」
やっと山頂である。 360度何もない山頂!!
 九州一,最高峰の高さである。 多くの露岩に立ち,それぞれの喜びの時を過ごす。 空からの直通であるせいか,何しろ風が強い。 帽子を押さえ,深呼吸し宮之浦岳の味を吸う。 
 
 <一等三角点>をしっかり触って
 「さようなら・・・,さようなら・・・」
と,空に,四方展望に両手を振って,ガイドさんの後ろに並んで下山である。
 <九州百名山>に登りたいなーと,思う我々であるが,そのこととは別にしても,九州最高峰宮之浦岳登山は,大きな達成感を味わう事にもなったが,疲れもやはり最大であった。
 ゆっくりゆっくりのマイペース登山では,とうていできない登山であり,感謝したい。
  
 印象深いことは,変化に富んだ優しさ,厳しさのある登山道。。
 水のある風景,きれいなおいしい水。
 石,岩のおもしろさ。
 屋久島の花,屋久島ミツバツツジ,サクラツツジや小さなヤクシマミヤマスミレ,ヤクシマタチツボスミレ,コケリンドウ,マイズルソウ等々。
 
 帰りは,河野さんに代わって,サブリーダーのあやさんに
 「急階段に注意!」
 「板が動きまーす!」
 「浮石注意!」
 「道をあけてくださーい!」
等と,リードしてもらい,順に伝言して全員元気に登山口に到着したのである。
 
 「バンザーイ ! バンザーイ!」