山曜日は山へ行こう!
尾鈴山急登急坂のふところに麗しき滝育みており
期 日 平成18年8月22日(水) 晴れ 標 高 尾鈴山−1405.2m・長崎尾−1374m めあて 九州百名山を登る 登山口 尾鈴キャンプ場駐車場 時 間 駐車場−1時間40分−甘茶谷登山口−50分−5合目−1時間10分−山頂 下山 山頂−1時間−長崎尾−40分−矢筈岳分岐−40分−林道出会い−
40分−白滝展望台−30分−白滝分岐−1時間30分−駐車場鹿児島からのアクセス 鹿児島市−鹿児島IC−末吉IC−国道10号−都城IC−西都IC−西都−尾鈴キャンプ場(約4時間) 温 泉 都城<スーパー元気湯>
駐車場で | 広い駐車場 | あじさいの滝 | 次郎・四郎の滝 | 登山口 |
6合目案内板 | ママコナ | 尾鈴山山頂 | ヒメシャラ | ニシノヤマタイミンガサ |
大岩の苔 | 長崎尾ピーク | 白滝展望台から白滝 | トロッコ軌道跡の登山道 | 白滝分岐で |
お盆もあり,台風の動きで不安定な天気も続くし,なかなか山曜日が取れない。
天気予報を自分なりに調べて,今日は宮崎方面は良いだろうと判断し,今回は尾鈴山登山とした。
白滝コースは7時間近くかかるので,我々の足では・・・と少しためらっていたが,最近このぐらいの時間だったら・・・と,少し自信も出て来た事も決めた理由の一つである。
山頂付近は眺望がないということで滝めぐりをしなくては,楽しみも少ないので長時間ではあるが,頑張ってみよう。
九州百名山でもある尾鈴山,そして名勝<尾鈴山瀑布群>・・・登山者も多いだろうと思ったが,尾鈴キャンプ場の駐車場には,車1台のみである。
「今日は,平日だからねー。」
「我々は毎日が日曜日,天候等を見計らっていつでも登山できるから良いねー。」
ところが,今回は思いかけず登りもハード,下りは超ハード!,日暮れ時の下山となったのである。
はじめは,駐車場から甘茶谷登山口まで一部舗装の林道で,登山口まで車で行けそうである。 しかし,白滝からの下山口は,駐車場近くにあるので,車は,キャンプ場駐車場に置いた方が良い。 トイレもあり便利である。
6時間あまりの時間を取るとあるので,脚力を長く保てるようにと,林道のだらだら登りをゆっくりと進む。
(少し時間の取りすぎだったかもしれない)
あたりは,水量の多い渓谷の音が,空気までも涼しく染めて,心地よい。 途中,表情を変えて岩肌を流れ落ちる滝も樹々の緑と調和して美しい。
それぞれの滝からのマイナスイオンをたっぷり浴びながら進む。
岩見滝 あじさいの滝 次郎・四郎滝 えのは滝 千畳滝
甘茶谷登山口手前の登山者名記入簿を開くと,先に子ども3人連れの登山者がある。
我々も記入し登山口に入る。
いきなり急登の丸太階段である。 深い落葉の樹林の中・・・急坂がずっと続く。
1合目毎に標識があり,確実に登っているという達成感はあるが,周りの展望もなく,単調な登りである。
5合目を過ぎても登りは続く。 この山は,多くの水を蓄えている。 倒木も樹々の幹も触るとひんやりとたっぷり水分を含んでいる。 徐々に現れる石も岩も緑の苔に包まれていて,小休止するにも
「 どっこいしょ 」
と腰を下ろす場所がない。
山頂近くで,子ども三人が降りてきた。
急坂を降りる子ども達は元気だ。 シャキッとした元気なおじいちゃんに連れられての登山だったようだ。
(自分達は,くたくたのおじい おばあである。)
山頂は,樹木に囲まれているが,程よい広さの草地である。
まず,登頂記念撮影。
気持ちよさそうな緑草,大の字に寝ころびたいが,地面は湿っている。 今日は,天気も良いので広いビニールシートを持ってこなかった。
古びてはいるが,湿った木のベンチにビニールを敷いてお弁当とする。
「展望のないのは,やはり人気の山にはなれないのだろうかー」
追い越す登山者はいなかったが,男性登山者(後でメールをもらいYさんとわかる)が山頂に着いた。
我々と同じく白滝を目指すとの事。 初めての山なので,心強く思った。
「下山も急斜面だろうなあ。」
「でも,何といっても下山は下り!楽である。」
この持論で下山を始める。 が,これが甘かった。 始めは,快適な下りであった。 樹林の中,まず赤い幹のヒメシャラの木が目を引き,シャクナゲの木が花の頃を想像させて楽しくなる。
下には花期はいくらか過ぎているが,ヤブレガサに似た葉の(ニシノヤマタイミンガサ?)とママコナが群生して,お花畑を造っている。
緩やかな尾根のアップダウンを進むと,水をたっぷり含んだコケの巨大な岩に出会う。
このあたりのテープが見当たらない。
「まっすぐか?,左か?」
どちらも登山道らしいが・・・・・・・・・・?????
幸い,その地点で山頂で話をしたYさんが追いついてこられた。 Yさんの地図等もとにして,お互いに検討し話し合って左の方へ進む。 そのうち,古い赤テープがあり安心したが,
「目印テープが欲しい」
と,痛感する。
健脚であるY氏に一生懸命着いて進み,やがてピークである長崎尾に着く。
ピークといっても,ケルンが積み上げられ,展望はない。
ここで,Y氏は登頂記念撮影をしてくださり,先に出発された。
樹林の中の尾根を更に進み,矢筈岳分岐となる。矢筈岳へは,進入禁止となっていた。
この地点で駐車場まで,3時間という道標があった。
「今3時半だ。 3時間!!急がなければ!!」
ここから,白滝へのコースを進むが,このコースが厳しかった! 苔のついたごろごろ石の急斜面が ずっと,ずっとーまだずっと続くのである。
手袋をして腰を低くし,滑らないような足場を見極めて用心を重ね下っていく。
(時間のかけ過ぎ?)
気持ちも体もすっかり疲れ果てた頃に,やっと白滝展望台である。
谷の奥の方,濃い緑の中に流れ落ちる白滝が見える。 高さのある(75m)二段になったその長さに見とれた。 陽は傾きはじめ,急がなければならないが,小休止し,どら焼きとウーロン茶で心身ともに少し元気をつけ出発。
流れを渡る所で,丸太を組んだ橋が流されている!
「えっ!」
躊躇する暇はない。 足首までの流れの中をジャブジャブ進む。
わたり終えたところに,白滝直下までの案内があったが,時間的な余裕もないので,帰路を急ぐ。
やがてはっきりとトロッコ軌道跡と分かる登山道となり,幕府群が始まるのである。
はがくれの滝 さぎりの滝 さらさの滝 すだれの滝
陽が落ち始め,あたりは昼間の明るさがなくなってくる。 滝の案内板もフラッシュをたかないと写らないほどになった。 登山道は,歩きやすくなってきたが,トロッコ軌道跡のため,屏風たたみ状になっているので,行きつ戻りつを繰り返しながら,少しずつ下山してなかなかはかどらない。
6時過ぎになり,気持ちははやるばかり,気持ちでは走っていた。
6時45分やっと駐車場に到着し安堵していると,先に下山したY氏が往復50分かかる <矢研の滝(日本の滝百名選>)を見学し帰ってこられた。
「下山は大変でしたねー」
Y氏は,我々の見られなかった,<白滝>と<矢研の滝>を写真に収めたので,メールで送ってくださるとの事だった。
山の出会いは,本当に嬉しいものだということを実感する。
今日に備えて色々と山情報を得たが,詰めが甘く,下山は苦労した。 以下・・・・・反省
○全体に水分が多く急坂下りの支えになる樹の根も,ごろごろ石も立ち木も粘土質の山肌も滑りやすく,用 心深く進まなければならなかった。
○コースが複雑で分岐もあり,2万5千分の1の地図が必要である。 ホームページ等によると,コース案内 がしっかりしていて迷う事はないとあるが,案内は古くなっていて,特に,山頂から,長崎尾までのところは ,大きな岩がある辺りは,立ち往生した。
○もっと良く調べて,自分の体力と能力にあった計画を立てなければならない。
今日の場合,登山と滝見学は別に考えた方が良かったのかもしれない。両方は,我々には欲張りすぎ?
○今日は,日没直前の下山となったが,この原因は,準備不足もあったが,安全対策の時間の取りすぎもあ った。
と,いっても,二人合わせて6回滑って転んだが,怪我がなく下山できた事は,まる!!
帰路途中,都城で夕食の焼肉がおいしかった。 街の温泉 <スーパー元気湯>でゆっくり過ごす。 疲れや怖さはもう忘れてしまった(反省は忘れずに)。 お弁当・小休止・写真含めて10時間の登山となった。