山曜日は山へ行こう!
白き髪 花かんざしで 飾るらし ばいけいそう咲く 初夏白髪岳
期 日 平成17年6月25日 晴れ 標 高 1,4017m めあて 九州百名山の中で咲くバイケイソウを見に行く。 登山口 猪子伏林道登山口 時 間 登山口−70分−気モミの木−45分−三池神社−25分−山頂 下山−45分−気モミの木−50分−登山口 鹿児島からのアクセス 九州自動車道−人吉インター−国道219号線(ビハ公園方面へ)−白髪岳登山口の看板−猪子伏林道駐車場(約4時間)
温 泉 あさぎり町ヘルシーランド「薬師湯」
今年は梅雨期というのに雨が少ない。今日も山曜日になった。今日は,初夏の花バイケイソウや夏ツバキの咲くという九州百名山,白髪山を目指す。
今年は九州山地の山に登りたいという目標があるが,林道状況が気になっている。普通乗用車で安全に通れるだろうかということである。
白髪岳登山口は,あさぎり町猪子伏林道を登りつめたところである。国道219号線を<白髪岳登山口10km>の案内表示板を右に進み林道に入る。行っても行っても広く,一部舗装のない区分もあり低速運転も余儀なくされるが,よく整備された林道である。途中に杉の丸太が山積みされており,林業が盛んであることがわかり安心する。
「ありがとうございます。」
林道途中で,<ヤマアジサイの群生>に出会う。林道側から深い杉林の奥までヤマアジサイが咲いている。朝霧,朝露に濡れて,紫の小さな花びらを寄せたアジサイ・・・・楚々として,それで凛として・・・あたりの空気をアジサイ色に染めてその風景は夢の続きのように広がっている。
「きれい,やさしい」
胸にはそれ以外の言葉も沢山あるが,なんと発声したら良いのだろう。
登山口には7:00に着いたが,4WDが1台止まっていた。
登山者記録簿に記入し,登山開始。
登り初めてすぐに,バイケイソウと出会う。優しい形状の大きな葉の中心から背の高さほど高く延びた花枝に緑色を帯びた6弁の小さな花びらを持つ花が無数についている。
これも清楚な花である。
早速カメラを手にしたが,次々と現れて,シャッターを押すチャンスがない。それは,<バイケイソウ群生>の表示板がある地点に続き,今,満開の時を迎えていた。白髪岳自然環境保全区域に指定され大切に自然の姿のままで保全されている古木,大木,巨木で成す森に,花は白い光を放っているようだ。
自然のままに伸び,倒れ,苔むしたり朽ちたりしている樹木であるが,樹木名はしっかりと人の手でかけられ,守られていることが分る。その中で,赤いつるつるの木肌をした<ヒメシャラ>と巨木<ブナ>が目立っている。
登山道は,緩やかなアップダウンが続き,深い森の中といっても頭上から木漏れ陽も届き,快適に歩き進むことが出来る。
また,休憩したい気分になる頃に ・・・ <立って一ツ時(小休止)>
腰を下ろしたい適当な倒木がある時 ・・・ <座って二時>
さらに頂上にはゆっくり展望を楽しみなさいという ・・・ <寝て三時>
また,巨木モミの木のある五合目辺りに ・・・ <行こうか,休もうか 気モミの木>
等,登山者の心情にやさしい表示板も立てられてうれしい。
三池神社近くになる頃から,元気のないスズタケと元気なグリーンの目立つシダが多くなる。
山頂近くになると,大きな木が根回りとも倒れている悲愴な姿が見られる。同じ方向に倒れている。台風の東風に耐えられなかったのか。
「強い風が吹くのだなぁー」
と,自然のものすごさを感じる。根こそぎ地面をはぎ,たおれた大木にびっくりしながら緩やかな斜面を登ると山頂である。
山頂には,印象深い有田焼のパネルが埋められ,白髪岳と佐賀県黒髪山の姉妹山記念のことが記されている。黒髪と白い髪・・・髪の色のつながりの姉妹山。 黒髪山とはどんな山か・・まだ歴史の浅い若い低い・・・いろいろと興味が湧く。
姉妹山に 花束にして 贈りたし
バイケイソウ咲く 初夏髪岳
もう一つ思いがけなかったのは,南側のパノラマの中に霧島連山が,山頂に立つ我々の目線よりずっと上の方に見えたことである。まず韓国岳のどっかりした山容が見えて,なんだか頼もしく空に座っているようである。うすい雲の流れで,新燃岳など並び高千穂の峰まで見え隠れしたが,
「我が霧島連山は大きいなあ」
と,嬉しくなった。<寝て三時>に従って,ゆっくりしたが,早朝登山で時間的に早いのでコーヒータイムとし下山して,近くにある黒原山を目指すことにした。
下山途中,バイケイソウ群落で写真撮影を楽しんでいると,夏ツバキの花を発見。見上げると陽光に透けるグリーンの葉の中,白い大輪の花がいくつもこちらを向いて咲いていた。
清楚であるが,優雅な姿である。
樹木,花,小鳥の鳴き声,せみの鳴き声,登山道等々・・・・・・変化のある感動の登山となった。