山曜日は山へ行こう!
空近く 大船山山頂なり 阿蘇五岳 ブルー遠景の中 凛と浮かびおり
期 日 | 平成17年4月6日(水) |
登山口 | 長者原 |
時 間 | 登山口−1時間20分−雨ケ池越(休息)−1時間− |
坊ガツル(休息)−1時間50分−段原−20分−山頂 | |
下山 山頂−3時間−駐車場 | |
温 泉 | 筌の口温泉 |
今回は,ETC高速早朝割引を利用し,比較的歩行時間の長い九重連山の大船山をめざすことにした。早朝の出発は,途中の熊本市街地の通勤ラッシュにも遭わないし,登山口長者原駐車場のスペースも十分あるし「早起きは三文の得」の言葉どおりである。長者原で以前登った雄々しい三俣山を仰ぎながら支度をする。
ビジターセンター裏の湿原,タデ原に渡してある木道を樹林地帯へと進む。まず,雨ケ池を目指す。ほとんどが落葉樹,紅葉の樹なのだろう。初春とはいえまだ芽のふかない樹々の間から明るい陽射しを受けながら快適に進む。
指山への分岐地点に出るころから黄色の花をつけたマンサクが見えはじめてきた。足元には,イワカガミも多い。
前方の三俣山の山肌もマンサクの黄色が彩りを添えている。
「坊ガツルに一泊しました」
という女性の登山者もマンサクを楽しんでいた。
やがて草地に出て,雨ケ池。雨が降ると水がたまるので木道が渡されている。その木道を右手へ進むと,登山道両側には元気なアセビが赤,白のいっぱいの花をつけている。大株のミヤマキリシマも多く,鉛筆の先のような固いつぼみが一杯ついているが,葉や枝はもろくまだ赤褐色で生気はないように見えた。
ミヤマキリシマの大船山!その名のとおり見事に咲いてほしいなあ。
再び広い広い草地に出て,坊ガツルに着く。
法華院温泉山荘,広いキャンプ場,トイレ・炊事等,GPS観測所,避難小屋が点在し,坊ガツル案内板にあるとおり九重連山のふところに位置し,<坊ガツル賛歌>に歌われるように,シーズンには多くの山愛好者でにぎわう様子が心に浮かぶ。
20分ほど休息し,平冶岳分岐からいよいよ大船山を目指す。急登をのぼり,はっきり踏み跡のついた登山道を右へ進む。
アセビも,ミヤマキリシマも多い。ごろごろ石やざらざら石の登山道をフーフーいいながらの登り,5合目の木札が下がっているのを見て,段原<平冶岳分岐>に着くころには風が強く当たるようになっていた。
「頂上はもっとすごい風で,立っておれませんよ!!」
と,男性登山者二人が下山して来た。
「我々もすぐ降りよう!」
と,話しながらとにかく右方向の大船山頂上に向かう。雪が残り固まっている。ごろごろ岩があり,ぬかるみがあり,上を仰ぐと,徐々に視界の中に空が広がって山頂の近いことがわかる。
風も四方から強く吹き注意を集中しつつ,岩を掴みながら急ぐ。
「あっ」
突然目の前が青い一面の空!バケツの底が抜けたように体中が軽くなった。
「山頂だ!」
まず,一番に見えたのが,山頂標柱と青い海に浮かんだような阿蘇五岳である。
「素晴らしいね!」
<ばしっ!>とほほをたたくような風!しゃがんだり,ふんばったりして絶景パノラマを写して楽しむ。風除けの岩陰で,コーヒータイム,ランチタイム。すぐ下山するつもりが,あまりの素晴らしさにゆっくり1時間過ごす。
三角点が,平らな大岩の中央に埋め込んであるのも珍しかった。
4時間30分かけてたどり着いた山頂に大満足である。
下山は,3時間かかり,今回は,休息も全部含めてであるが,7時間30分。我々にしては,大登山となった。
帰りは,鉄分の多い筌の口温泉に入り地域の人々のやさしい会話も出来た。
後でわかったことであるが,頂上から御池が見えたのだそうだ。
でも,頂上付近は,あまりにも風が強く,身を乗り出して,足元付近を見られなかったから気づかなかったのだろう。
ちょっと残念な気もした。