山曜日は山へ行こう


多良岳
      

山曜日は山へ行こう!

                        

  


晴天の断崖 南無覚悟の気 渡り来て 由布岳西峰は 地球気流の中


   期 日     平成16年10月28日 晴れ  
登山口  由布岳中央登山口
  時 間    登山口−60分−合野越−20分−展望所−60分−マタエ−30分−
 西峰山頂−35分−マタエ−30分−東峰山頂
 下山 山頂−1時間30分−合野越−30分−登山口
温 泉

 登山口駐車場は広くてトイレも備わっている。
 真っ青な由布の空に豊後富士と呼ばれるきれいな山容の由布岳が座している。
 「さあ!登るぞ!!」と,登山意欲が湧き上がる感じである。
 山頂までの登山道は,はじめ自然樹林。次は,クマザサ,アセビの灌木帯。そして,山頂に近づくとゴロゴロ岩場となる。
 自然灌木林は,紅葉の季節,落葉した木もあり,紅葉の木の間からの青空・・・・素晴らしい登山となった。
 合野越を過ぎると徐々にクマザサや灌木が多くなり,更に高度を上げると,草木となって,展望が開けてくる。
 アセビの木が多く,つぼみを付けていた。
 ジグザグ状に登っていくので,緩やかな上り坂となって,時間がかかるが快適である。
 遠くに青く霞んだ湯布院盆地を眺めながら,ゆっくり進むとやがて,ゴロゴロの岩や砂利になる。
 山頂に向けて急登となり,足下に注意を集中しながら頑張ると,西峰と,東峰分岐のマタエに着く。
 障子とといわれる絶壁をわたる。
 <スリル満点>といわれる西峰に登ることにした。
 ザックを岩陰に置いて,身一つで行くことにした。
 気持ちを引き締め,「どんなに危ないのだろう,難しいのだろう」と,半分怖さ,半分興味津々で登りはじめると。
 登山道は,火口の外側を登っていたのが,火口の内側の方へ進む。
 外側は明るいが内側は影の部分が多く,不気味な火口壁がどーんと暗い火口穴へ続いている。暗くてひんやりしてここで体がすくんだ。
 気分は暗くなったが,くさり場を登る。地元の登山者だという男性は,くさりも使わず手と足で登っていった。
 「あれが障子戸だー!」
 幅2メートルぐらいであるが断崖に横に2重のくさりを張ってある。
 ここでも足がすくんだ。
 見上げながら,腰を下ろして
 「どうしようか」
 「どうしようか」
 先の男性は,ことばは言わないが,笑顔でいる。
 止めもできない,進めもできないのだろう。
 全て,自己責任あのだ。
 ーこわいーと口に出すと,それは,たちまちお互いの身体をこわばらせてしまいそうで,ぐっと飲み込んで,
 「行く人もいのるのだから!」
 「くさりが2重だから,くさりをはなさなければ・・・」
 と,立ち上がった。
 くさりは両手で,腕ごと捕まっても足を置くところが浅いのだ。足に力をいれると,ひっからない!
 ての方に力をいれて,上半身に重心を置くようにして移動した。
 西峰山頂は,素晴らしいスケールの大きな大パノラマが広がっていた。

 先の男性登山者が先に着いていて,
 「来て良かったでしょう!!」
と,カメラのシャッターを押してくださった。
 地球の青い大気洗いの中にいるような空気は薄くなったのだろうが,濃い空気で気の遠くなるような「チョー気持ちいい」体感である。

 展望を満喫して,東峰へ向かう。
 帰りの障子戸渡りは,覚悟している。
 一気に渡りマタエに戻り,ゴロゴロ岩場を東峰に向かった。
 期間箇所とか,スリル満点箇所といわれる地点は,ほんの数分で短い距離である。
 これが,本格的名峰登山となると,こんな地点が数多く,長い距離続くのだ。アルプスとかヒマラヤとかは,日単位で,続くのだ。驚きと畏敬の念が強くなった。

 東峰山頂は,登山者で賑わって,それぞれ岩場に陣取って,楽しんでいた。
 私共は,雄大な展望パノラマを楽しみながらお弁当。
 由布岳は,東峰のみ登る人も多いようだ。
 思いきって西峰も登って良かった!!

 帰りの下山道は快適。展望を楽しみながら,紅葉を楽しみながら楽しく歩くことができた。